ピタゴラスの定理 2021 1 24

書名 空間は実在するか
著者 橋元 淳一郎  インターナショナル新書

「虚数があれば便利である」
 虚数とは、二乗するとマイナスになる概念です。
たとえば、「i × i = -1」という概念です。
 なぜ、そういう「あり得ない数字」を使うのかというと、
単純に「そういうものがあれば便利だから」です。
 この本は、物理学にとって「革命的な本」かもしれません。
まさか、相対性理論をピタゴラスの定理で説明するとは、驚きです。
 しかし、ピタゴラスの定理と虚数を使うことで、
見事に相対性理論を説明したうえに、
相対性理論の本質は、「ミンコフスキー空間」にあると説明しています。
「時間は実数であり、空間は虚数である」
 著者によると、
これこそが、相対論を相対論たらしめている本質であると言います。
 私は、「正に、そのとおりだ」と思いました。
もちろん、「時間を虚数として、空間を実数とする」という考え方もありますが、
私には、わかりにくいものでした。
やはり、空間を虚数とするほうが自然です。
「時間は遅れ、空間は縮む」
 光の速度に近づけば近づくほど時間は遅れます。
つまり、最終的には、光の速度で動けば、時間は止まるのです。
 この本から引用すると、
素粒子には、固有の寿命(半減期)があるが、
宇宙から高速で飛んでくる素粒子を観測すると、寿命がはるかに延びている。
これは、高速で動く素粒子の時間が遅れている証拠である。
(引用、以上)
 このような現象は、私たちが住む空間について、
「ユークリッド空間」で考えると、おかしいと思うでしょうが、
時間と空間を「時空」で考える「ミンコフスキー空間」で考えれば、自然です。
 普通は、「1メートル」+「1秒」という足し算はできません。
なぜかというと、単位が違うからです。
 しかし、相対性理論では、「時空」という概念が出てきますので、
時間と空間を一緒に扱うことが可能です。
 だからこそ、エネルギーと質量は等価であるという数式が成り立っています。
つまり、「E = mc2」という数式です。
「E」がエネルギー、「m」が質量、「c」が光の速度、「2」は二乗です。

































































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